▲富士山を望む美しい山梨の自然に囲まれた伊東さんの桃畑。

▲前回販売の際も大好評をいただいた「甲斐路」

▲生産者、伊東さん 大学を卒業してから、アメリカへ２年間の農業研修に行き、 「アメリカでは一般家庭の食卓に果物が必ず並ぶけど、日本ではなかなかそうならないのはなぜだろう？」と思ったことが、今の生産姿勢のきっかけだそうです。

――― 伊東さん、桃も育てていたんですね。

「 そうだよ。おいしそうでしょう 」

――― 甲斐路があんなにおいしかったから、
桃も、きっと特別な作り方をしているんですよね。

「 うん？ なんにもしてないよ 」

――― いや、何かあるはずです。

「 してないものは、してないなぁ 」

その日は、伊東さんのお家に泊まって、いろんなお話をうかがいました。

――そして午前４時。
畑には伊東さんの姿がありました。
１本１本の樹の前に立ち止まっては、一つひとつの実を、じ〜っとみつめているじゃありませんか。

――― 伊東さん、何をしているんですか？

「 果物と話をしてるんだ。日課でね 」

――― それで、特別なことを？

「 しないよ。ほしがっていれば、肥料をあげるし、
具合が悪そうだったら、いたわってあげる。それだけ 」

――― 本当にそれだけ？

「 日本の家庭の食卓に、果物が当たり前のように並ばないのはなぜだと思う？
それはね、芸術作品みたいに、手をかけすぎているから。
自然の力を信じてあげればいいのに、誰もできないんだ 」

「社員に農作業を体感させたいんですよねぇ」
「じゃぁウチにおいでよ。いくらでも仕事はあるよー」

きっかけは、伊東さんとＯｉｓｉｘスタッフとのそんな会話でした。

Ｏｉｓｉｘの社内には、「Ｏｉｓｉｘ農業同好会」という活動があります。
「野菜や果物を販売している私たち自身が、
野菜や果物のことをよく知らなくてどうする！」 という思いから設立されたこの同好会。

スタッフ自身が、土に親しみ、農作業を体感することで、 お客様により生産地や農産物の真の姿をお届けできるようになるのが、 その大きな目的でもあります。 そして、この農業同好会がお世話になっているのが、伊東さんたちのグループなんです。

私たちも、伊東さんたちの作るフルーツのおいしさは、 よーく知っています。 期待に胸を膨らませて伊東さんの畑に向かいましたが、そんな私たちを待ち受けていたのは、 想像以上に地道でとても手間のかかる農作業でした。

上で「何もしてないよ」と語っている伊東さん。
「なんだ、すごく働いてるじゃないか！」

農作業はとても広い畑の中で、日の出前から深夜まで続きます。
伊藤さんも特に繁忙期になると
早朝4時に起きてから夜の11時まで働いているといいます。

見渡す限りの、一面の畑を動き回って、
「桃は実の90％を摘果して、刈り取るんだ。
10分の１に絞られた、おいしい桃だけを出荷するんだよ」

「自然に木になったぶどうの約80％を摘果するんだ。 残りの20％だけが商品になれるんだ」

黙々と作業を続けながら、伊東さん。 その横顔を見ていて、ふと気付きました。

▲生産者の伊東さん

「何もしてない」
それは“伊東さんの中での”こと。
伊東さんたちはこれらの作業を当たり前のことと思っているから、
何か特別なことをしている意識はないんです。

農作業の合間合間に伊東さんたちが訥々と語るこぼれ話に、 私たちはそのたびに驚かされながらも、
「もっと背筋を伸ばしてお客様に、
このフルーツの品質の良さとおいしさをお伝えしなければ」
という思いを強くしたのでした。

それもこれも、自然の力を信じたい、果物本来のコクと旨みを最大限に引き出したいという、伊東さんの思いからなんです。

本当においしい状態でお届けしたいから、桃も、ぶどうも発送当日に収穫しています。
あまりにおいしいからこそ、何と果物泥棒の標的にもなってしまう伊藤さんの果物たち。

完熟のおいしい時を見極めて、収穫していますので、届いたら直ぐにお召し上がりください。新鮮なフルーツの味が体感できます！