パン担当スタッフが廣瀬さんを選んだのには理由がありました。
リスドォル・ミツは、天然素材を使っていながら、おいしさも両立していると評判のお店。たびたびテレビや雑誌で取り上げられるほど。お店の前に行列ができることもしばしばです。
これまでOisixでもパンが入荷するたびに、あっという間に売り切れ。合計で27,459セットものパンセットを販売した、伝説のパン屋さんなのです。
「本当においしいパンを作れるのは、 この人しかいない」
意気込んで、相談に向かったのでした。すると・・・
「いい考えがありますよ」と、自信たっぷりにこたえた廣瀬さん。しかし、次の言葉に、パン担当スタッフは「あっ」と声をたててしまったのです。
「新しいパンの食べ方を提案したいんです。
おいしいパンならいくらでもある。
では、家で焼きたてのパンを食べることができますか?
僕はそれをやってみたいんです。
そこまで行かなければ、パンの実力を引き出すことはできないんです」
そんな廣瀬さんの思いに打たれたのも束の間、パン担当スタッフは考え込んでしまいました。「よくよく考えると、家で焼きたてのパンを楽しむなんて・・・」 魅力的だけど、いったい、どうやって実現しようというのでしょう?
「時間をください。必ずやってみせます。」
「僕が作りたいパンと、お客様が食べたいパン。
この2つがぴったり合えば、こんな幸せなことはないでしょう」
廣瀬さんは自信満々にいうのです。
「家で食べられる焼きたてパン」
できるかどうかは分からないけれど、でも、できれば、これほど画期的なことはありません。
パン担当スタッフは、廣瀬さんの情熱に賭けてみることにしたのです。 |