「俺が作りたいのは“良いみかん”」と話すのは、熊本県でみかんを中心に柑橘を育てている波村（はむら）さん達。「柑橘の樹が俺の先生なんだ」と、独創的な栽培方法を実践し続ける柑橘の探求者です。
おいしい不知火を作るために、条件の良いみかん畑を不知火の畑にしてしまうほどのこだわりを持って作っています。「味の差が出にくい不知火だからこそ、本当に美味しいといえるものを作ってみたくて」と話す、波村さん。柑橘にかける情熱がとまりません！

自家製の肥料はもちろん、葉の日当たりや摘果など実に養分が行き渡るよう管理をしっかりすることで濃い味わいを目指しています。畑では、不知火を食べながら収穫しているという波村さん、樹ごとに味を確認しているのです。
畑の土を分析して足りない成分をチェックしたり適度な湿度が保てるように除草剤は使わず、ていねいに草刈りしたり、樹一本一本に応じて管理の仕方を細かく変えるていねいな栽培管理をされています。

「良いみかん」とは、「健康に育ち、それがそのままみかんの味になり、食べる人が喜んでくれるみかん」のこと。50年来の柑橘栽培を通して、じつに抽象的で、哲学的な「俺流」を実践し続けています。「みかんは正直で、嘘はつかない。常に変化がある中で、みかんの樹の気持ちをよみながら育てる。どれだけ寄り添えるかが大切なんです。」 納得のいく“良いみかん”と出会うために、自分たちが目視で選果し、“良いみかん”作りのためなら、どんなひと手間も惜しみません。